阿部海太郎(作曲家)
大学を卒業してからも親子ほどの年齢が離れている友人として親しくさせてもらっているアランさんへ。アランさんはほとんどメールを使わないので、いつもハガキで短信のやり取りをしています。手書きの文字はメールよりも沢山のことを伝えられる気がしています。日本に来る前はプロの歌手としてフランスで活動していたアランさんは、喉を悪くしてから歌っていないけれど、音楽への愛情を内側に秘めていて、その言葉はいつも僕を勇気づけてくれます。元気かな?こちらは変わらず音楽をやっています。と、季節の挨拶を送りました。
阿部海太郎●作曲家。クラシック音楽など伝統的な器楽の様式に着目しながら楽器の今日的な表現を追求する。舞台、テレビ番組、映画、様々なクリエイターとの作品制作など幅広い分野で作曲活動を行うほか、コンサートの企画やアルバム制作など、すぐれた美的感覚と知性から生まれる音楽表現も評価されている。音楽を手掛けた作品に、インバル・ピント&アブシャロム・ポラック演出『100万回生きたねこ』、『百鬼オペラ 羅生門』、森山開次演出・振付『星の王子さま ーサン=テグジュペリからの手紙ー』、NHK『日曜美術館』テーマ曲、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』など。最新アルバムは『Le plus beau livre du monde 世界で一番美しい本』。
なかなか会えない家族や幼馴染、あるいは遠くに住む親戚や友人へ。
季節のお便りとともに贈りたい、冬を快適に過ごすアイテム。
弟と会うのは年に一度あるかないか。昔話半分、お互いのアップデートを語るのは楽しいものだ。そんなときにふと気づくのは、少し逞しくなった表情、どこか垢抜けた佇まい。「もっとお洒落してもらわないと」と用意したチェックのカシミヤマフラーだけど、サラッとナチュラルに合わせるところを見ていると、成長しているなあと思ったり。一方で、「人見知りなのに営業部に配属されて大丈夫なのか?」と心配されたりして、相変わらずの凸凹コンビなのであった。
旅好きだった父。コロナ禍に入ってからはすっかり海外に行けなくて、「死ぬまでに行きたい絶景リスト」がどんどん増えていくと悲しそうに、でも嬉しそうに話していた。そういえば工芸品を持ち帰るのが楽しみだったと思い出し、年末年始も日本にいるそうだし、外国らしいものをと見つけてきたのが、このスコットランド発〈INVERALLAN〉の冬小物。クラシックなジャカードマフラーとネップがかわいいニットキャップで、旅に出かけた気分になってもらえれば。
故郷を離れて、もう何年経つだろうか。帰省するときは実家に立ち寄るくらいで、いつもとんぼ帰り。なかなか会えない仲間と再会するときは、きまってプレゼントを贈りあっている。「メイド・イン・スコットランド」という言葉に惹かれた〈ROBERT MACKIE〉は、なんと創業1845年の老舗ニットメーカー。肉厚のリブ編みマフラーはシンプルながら、天然糸のみを使ったサステナブルさも持ち合わせたアイテム。自然が好きで故郷に残ったあの子もきっと気に入ってくれるはず。
SNSの投稿が愛娘ばっかり……とういうのはよくあることと思いつつ、硬派を極めたかつてのラガーマンがデレデレになっているのはむしろ可笑しさすら覚えてしまう。「目に入れても痛くない」を体現しているようで微笑ましく、彼の子供たちへのプレゼントを探し当てたのが、このボアフリース。暖かそうなのはもちろん、撥水加工&リバーシブルなのも元気いっぱいの子どもにはぴったり。嬉しそうに写真を撮る姿が目に浮かぶ。
出産の知らせが舞い込む昨今。「消耗品がなんだかんだ嬉しいんだよね」とこぼす友人に「やっぱりそうだよねえ」と頷きつつも、できれば気持ちを込めたものを贈りたいわけで。来たるべく冬に備え、ふわふわ素材のニット帽とミトンをセレクト。子どもの成長は早いもの。実用性も大事だけれど、あっという間に過ぎ去る日々を楽しんでほしい。