TRANSIT写真集発売記念企画(前編)「旅がしたくなる風景10」 TRANSIT写真集発売記念企画(前編)「旅がしたくなる風景10」

TRANSIT写真集発売記念企画(前編)
「旅がしたくなる風景10」

世界各国を歩き、旅というフィルターを通して、美しい風景やその地に息づく歴史や文化、人びとの暮らしを紹介してきたトラベルカルチャー誌『TRANSIT』。
この秋、2008年の創刊から2019年までに発刊された44号分の旅の軌跡を辿る写真集を〈ランドスケープ篇〉〈ポートレート篇〉にわけて、2冊刊行します。
発売に先駆けて、ランドスケープ篇に掲載される作品のなかから、TRANSIT編集長・林さん(の独断と偏見)による、「旅がしたくなる風景10」を特別にお届けします。

今回の写真集では1冊につき200点近い写真を掲載しています。ページをめくりながら、架空旅行を楽しんでもらえるように、日本から旅立ってアジア、オセアニア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ……と、世界一周できるような構成で80カ国ほどの写真をセレクトしました。

それらのなかには、なかなか行けないような秘境や、えいっと航空券を買う勇気さえあれば訪れることのできる人気の観光地もあります。歴史的・文化的に価値のある世界遺産を切り撮った写真もあれば、路地裏で偶然出合った、なんてことのない日常の景色もある。いわゆる“絶景”ばかりではありませんが、そのミックス感がTRANSITらしいと思うので、楽しんでもらえたらと思っています。

私自身はこれまで30カ国ほど旅していますが、アフリカ大陸には一度も足を踏み入れたことがなく、イタリアに行ったことがあるといっても、訪れたことがあるのはローマだけ。一方で、NYからLAまでの横断を経験したアメリカも、南北各地へ計5回訪れたインドも、まだまだ彼の地を知りたい、旅したいという思いは変わりません。いつか見たい風景、何度も行きたい場所が、たくさんあります。そんな場所のなかから、今の気分で「ああ旅がしたい!」と思う風景を10選びました。

旅がしたくなる風景10

  • (C)TARO MIZUTANI

    まずは創刊号の中国特集より1枚。中国一美しいともいわれる、湖南省にある鳳凰古城です。中国というと、経済成長により変化する北京や上海の街並みを思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、虹橋からライトアップされた吊脚楼の夜景は、まさに子どもの頃思い描いた中国らしい風景。知っているようで知らない、古き良き中国の文化に触れたいです!

  • (C)SHUNYA ARAI

    西部ラージャスターン地方にある、ヒンドゥー教の聖地プシュカル。インドは初めて一人旅で訪れた思い入れのある地ということもありますが、湖や川沿いのガートで沐浴する人びとの光景は、何度みても神聖な気持ちになります。同じ地球で生きる私たち人類の、価値観や暮らしをまったく異なるものに変えている、ヒンドゥーへの興味が尽きることはありません。

  • (C)KENJI SATO

    世界最高峰のエベレスト(標高8848m)をはじめ、7000〜8000m級の峰々が連なるヒマラヤ山脈。地球上には8000mを超える山が14座ありますが、なんと、そのすべてがヒマラヤ山脈にあるのです。ネパールでは、初心者でも参加できるエベレスト街道を歩いて、ヒマラヤの山々を見上げたい。遊覧飛行で上空から大パノラマを眺めるのもあこがれです。暮らしのなかのちっぽけな悩みなんて吹き飛びそう!

  • (C)momoko japan

    古代ローマ時代、政治・経済の中心部だった、フォロ・ロマーノ。ローマ市のみならず、ヨーロッパ全域に広がる帝国全土の中心でもあった場所です。当時の日本が縄文〜弥生時代だったことを考えると、古代ローマの偉大さを改めて感じられるし、2000年前にタイムトリップできる!ローマへは、歴史を少し勉強していくと街歩きがより楽しいです。

  • (C)ISAO NISHIYAMA

    TRANSIT30号の表紙にもなった写真は、アルプスの峰々に抱かれる、オーストリアのザルツカンマーグート地域。その最奥に位置する人口1000人弱の湖畔の街、ハルシュタット。水も空気もきれいであることは疑いもなく、穏やかな心地で滞在できそう。朝霧のなか中世の面影が残る街をのんびりと散歩したいです。

  • (C)KENJI SATO

    モロッコ・サハラ砂漠でのキャンプの写真。昔、「砂漠では地球が自転をする音がきこえる」というエピソードをきいてから、砂漠はいつか訪れてみたい場所のひとつでした。視界を遮るものも、人工的な明かりもない状況で、砂漠の暗闇と静寂に映える星空を見上げたい!サハラ砂漠、ゴビ砂漠、ナミブ砂漠にアラビア砂漠……砂漠でできるアクティビティも増えているようなので、まずはどの砂漠へ行こうか、検討しているところです。

  • (C)TAKESHI MIYAMOTO

    写真はスウェーデンのユッカスヤルビ近郊で現れたオーロラ。私もちょうど撮影に立ち会っていたのですが、生き物のようにうねって、美しさと同時に自然の畏怖を感じたことが印象に残っています。オーロラは秋から冬にかけて、北欧やカナダ北部・アラスカなどで気候条件が揃った日に観賞することができますが、“穴場”は夜間のフライト。雲上を飛ぶ飛行機からは、迫力満点のオーロラに出合えるかも!

  • (C)KENJI SATO

    荒野に突如として現れる、未来都市のようなネバダ州のラスベガス。ラスベガスの街自体は興味のわかれるところだと思いますが、ネバダ州の荒野の真ん中に存在する立地や、ニューヨーク・ニューヨーク・ホテルに立つ1/2サイズの自由の女神ふくめて、アメリカってスゴイ国だなと思わせてくれます。グランド・キャニオンで46億年の地球の歴史に、ラスベガスでこの100年の文明の進化に触れられるのです。

  • (C)SAORI TAO

    奥深いジャングルの中にあり、1911年に発見された“失われた都市”マチュ・ピチュ。標高2400mを超える山の尾根に建設された15世紀のインカ帝国の遺跡ですが、何のために造られたのか、その謎とともに世界中の旅人を魅了しています。近年では、日本のマチュ・ピチュと呼ばれるスポットが日本にもいくつかありますが、まとまった休みができたらやっぱり本場に足を運びたい。

  • (C)GENTARO ISHIZUKA

    パタゴニアの氷河。アルゼンチンとチリにまたがるパタゴニア地方は、雄大な自然に抱かれたアウトドアの聖地。ロス・グラシアレス国立公園内では一面に広がるペリトモレノ氷河を見たり、トーレス・デル・パイネ国立公園ではキャンプをしながらトレッキングに参加したり。山、森林、湖、氷河など、地球が生んだ神秘の景色に癒やされ、パワーをもらいたい。

「旅がしたくなる風景10」いかがでしたでしょうか。遅めの夏休みをとって、どこへ行こうか悩みながら(モロッコもいいし、再びインドにも行きたいし、メキシコも気になるなぁ…なんて)選ばせてもらいました。 まだまだ紹介したい写真はたくさんありますが、つづきは写真集で、ぜひページをめくってもらえるとうれしいです。

TRANSIT THE PORTRAITS
| TRANSIT THE LANDSCAPES

2008年のTRANSIT創刊から10年超。その軌跡を辿った写真集『TRANSIT THE PORTRAITS』(人物編)、『TRANSIT THE LANDSCAPES』(風景編)です。各200ページに及ぶ写真のほか、撮影地MAP、フォトグラファーによるエッセイを掲載。また、人類史や世界の人口グラフ、民族分布図といった、世界のDATA BOOKも収録。

写真集は、数量限定の”特装版”と”通常版”があります。特装版は、人物編と風景編の2冊が箱入りになっていて、写真集をデザインしたブートレグのBOOTLEG GALLERY(10/27〜11/4)、一部書店(11/11〜)で500部限定で販売予定。通常版は、人物編、風景編と別々で購入することができ、全国書店(11/11〜)で順次発売します。通常版はネット書店でも予約受付中。

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