Safe & Clean Vol.27  スポーツブランドで働くライフセーバー Safe & Clean Vol.27  スポーツブランドで働くライフセーバー

Safe & Clean Vol.27
スポーツブランドで働くライフセーバー

NPO法人 下田ライフセービングクラブの活動理念に賛同し、1995年からその発展と振興をサポートしているSHIPS。今号では、現在ニューバランスジャパンに勤務されている、女性ライフセーバーの倉地満理奈さんに登場いただきました。

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あなたは愛する人を救えますか?

ーー今日はよろしくお願いします。倉地さんは、南伊豆エリアで史上2人目となる女性のパトロールチーフ(現場責任者)だったと伺っています。

倉地 そうなんです。中心学年となる大学3年生のときにパトロールチーフを担当させていただきました。

ーーそれは先輩から指名されてなるんですか。

倉地 いや、同期の推薦で決まるんです。

ーーそれはすごい。みんなから慕われていたんですね。

倉地 いえいえ。私たちの代は男性が少なかったというのもあって。でも、自分たちの代で事故は起こせないというプレッシャーはありましたね。

ーーパトロールチーフという名前だけですでに大変そうなのですが、具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

倉地 ライフセーバーをまとめるという役割り以外にも、毎日の遊泳条件を区長さんに連絡しながら決めたり。また、海の家の方たちにも連絡をしていました。就任のときは、南伊豆地区のディレクターと共に南伊豆町の区長さんや役場の方たちのところへ挨拶しに伺ったり。

ーーなるほど、チーフになると現場以外の仕事も増えるわけですね。ちなみに、倉地さんがライフセーバーを目指すきっかけは何だったのですか。

倉地 高校時代の体育科の先生が日体大のライフセービング部出身で。現在は日本ライフセービング協会で副理事長をされているんですけど、高校3年生のときの選択授業でライフセービングの教科があったんです。その最初の授業で「あなたは愛する人を救えますか?」という言葉が書かれていて。それを見たときに、家族や友人が倒れても自分は何もできないと思ったんです。ライフセービング活動に携われば、人助けができるというか、いい人間になれるんじゃないかなと思って。

ーーそれは素敵な話ですね。

倉地 それがきっかけで、心肺蘇生法の資格を取ったり、大会に出させてもらったりもしました。

ーーでは、本格的な活動は大学進学後なんですね。

倉地  大学で体育会のライフセービング部に入ったんです。そこで下田ライフセービングクラブに出会って。

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「人が私を動かす」

ーー練習がキツいとよく聞きますが、実際に入られてみてどうでしたか。

倉地 高校時代はバスケ部だったので体力には自信があったんです。でも、泳ぎは小学校で習った程度だったので、やはりスイムの練習がきつかったですね。

ーー救助に関しては、当初描いていたイメージとのギャップはありましたか。

倉地 ギャップはなかったですけど、想像以上に大変でした。事故はいつ起こるか予測不能なんです。しかも、男性か女性か大人か子どもかもわからない。そのため、常に男性を救助する想定で練習をしていましたし、海の知識もつけなくてはいけない。

ーー女性が男性を助けるのは相当大変ですよね。大会も出場されていたんですよね。

倉地 大学4年間はもちろん、社会人1年目も出場しました。でも、練習ができないままだったので結果は散々でしたけど(笑)

ーー社会人になってからは、どのような活動をされているのですか。

倉地 入社して3年目までは気持ち的に仕事との両立が難しくほとんど関われなかったんです。でも、今年になってすこし時間がとれるようになり、夏休みなどを利用してパトロールに入りました。役に立てたかはわからないですけど、下田ライフセービングクラブや弓ヶ浜が大好きなので、今後もできる限りのサポートはしていきたいと思っています。

ーー仕事が忙しくなければ、今でもガンガンやりたい気持ちがあるんですね。

倉地 ガンガン行きたいですね。今はニューバランスに勤めているのでフルマラソンには毎年出場しているんですけど、ライフセービングもできたらいいなと思います。

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ーー最後に、ライフセービングの魅力を教えてください。

倉地 う?ん、やっぱり人ですかね。地元の人たちとの交流がいまだに続いているからこそ、また弓ヶ浜に行きたいと思ったり。クラブのみんながいるから練習も頑張れるし、海を守るために活動してきたという自負があるからこそ仲間意識も生まれる。「人が私を動かす」という感じなんです。

ーー今日はお忙しいなかありがとうございました。

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倉地満理奈 | Marina Kurachi

2009年、高校3年生のときの授業でライフセービングに出会う。バスケ部引退と同時に ライフセービング愛好会に所属。
2010年、大学入学と同時にライフセービング活動を本格的に開始し、下田ライフセービングクラブに所属。
2012年、パトロールチーフとして南伊豆エリアの現場責任者として夏期監視活動に従事。
2014年、?ニューバランスジャパン入社。
現在は休日を利用してパトロール活動をはじめとした各種ライフセービング活動に携わっている。

<大会戦績> 第25回 全日本ライフセービング種目別選手権大会 2kmビーチラン 第5位
第27回 全日本学生ライフセービング選手権大会 ボードリレー 準優勝
第28回 全日本学生ライフセービング選手権大会 ボードリレー 第3位

株式会社ニューバランスジャパン
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