プレス西村が、いま気になる書店を訪れる。ONLY FREE PAPER プレス西村が、いま気になる書店を訪れる。ONLY FREE PAPER

プレス西村が、いま気になる書店を訪れる。ONLY FREE PAPER

本好きプレスの西村が、いま最も気になっている書店「ONLY FREE PAPER」を訪問しました。店名からもわかるように、フリーペーパー・フリーマガジン専門店という、これまでになかった新業態に興味津々。お店のあり方やフリーペーパーの魅力について迫ります!

??東小金井駅からすぐの高架下にあるコミュニティスペース『ヒガコプレイス』内に店を構えるONLY FREE PAPER。オーナーを務める松江さんにお話をうかがいました。

??現在は松江さんが1人で運営しているが、立ち上げは前職の同僚と3人でスタートさせたそう。

「そのうちの1人そもそもの発起人である人間が、美術館やカルチャースポットへよく出かけていて、そのたびにフリーペーパーを手に取っていたんです。それが自然と大量に集まっていて。彼がずっと本屋をやりたかったということもあり、どうせやるなら既存のものではない、おもしろいことをやろう! ということで始めました」。

??2010年にオープンし今年で7年目を迎えるこの店は、渋谷キャットストリートの路面店から始まり、その後渋谷パルコ店を経て、現在のヒガコプレイスへと店舗を移してきた。

「地域活性も考えて、高架下を活用してここから色々なものを発信していきたいと思ったんです。ここは自分の地元でもあり、色々な繋がりやタイミングが重なって現在の形になりました」。

??なぜフリーペーパーに着目したのか? その魅力はやはり無料であること。そして発行する制作者が“やりたいことをやっている”ことだという。

「自費出版物や個人の活動に対して出資を受けて発行されているケースがほとんどなので、広告主の事情やそもそも<<売らなければいけない>>ということを考慮して作るのではなく、自分のやりたいものを自由に作っている。だから内容がニッチで深いものが多いんです。それが有料誌との大きな違いですね」。

??取り扱いについては持ち込みによるものが基本のようで、「制作者と読者を繋げる場所なので、あまり高いハードルは設けていません。基本的にはノンジャンルです。ただ、クーポン誌や求人誌のようなものはお断りしています」とのこと。

現在取り扱っている持ち出し可能な冊子は常時100冊ほど。常に回転しているので、来店するたびに何かしら新しいものに出会え、いつ来ても楽しめるのが嬉しい。その他にアーカイブスペースには約4000?5000冊が保存されている。

??来店するのは、仕事で関わっている人やフリーペーパーの制作者、編集・広告・出版関係者など様々だそう。遠方から足を運ぶ人もいるのだとか。

店の運営を通してこれまで多くのフリーペーパーを見てきた松江さん。その経験と洞察力を生かし、現在はコンサルティング的なビジネス展開も行っている。最近では企業からの依頼を受けコンテンツ作りを請け負う、要はブックディレクター的な仕事も増えてきたそう。

??昨今のフリーペーパー事情についてもお聞きした。

「風向きがだいぶ変わってきたように感じます。これまではサブカルチャーの一環だったものが、今では自治体や行政単位で予算を出して作るようになったり、一般の人たちも関わるメディアになってきた。これが大きな変化ですね。うちみたいに振り切ってやっているところはまだほかにないと思いますが、フリーペーパーを扱うところは増えましたね。流通網が確立していないメディアですが、そこはだいぶ広がって、ちゃんと発信してくれる体制もできてきたと思います」。

??ONLY FREE PAPERは、フリーペーパーを通じて色々な人との繋がりを得られる場でもあると話す松江さん。

「作る人が絶えないですし、応援してくれる人もいて、そういう人たちと会うのが楽しいです。僕自身もそうだし、発行者同士や発行者と読者を繋いだり、フリーペーパーから出版にこぎつけた人や、新たな仕事を得た人もいたりして。自分が関わった人たちを、無理なく自然にどう繋げていけるか。そういったことも楽しみのひとつですね」。

??最後に、今後の展望について語ってもらった。

「うちは店でもありプラットフォームでもあるので、他の企業さんからの仕事を請けたり、そういった受け皿を広げるための仕組みをどんどん作っていけたらと思います。最近は店内でライブや演劇なんかも開催するようになったんですが、広い意味で色んなカルチャーを発信していけたらいいですね」。

??本と人、人と人とを繋ぐ場所、ONLY FREE PAPER。既存の有料誌にはない、オリジナリティ溢れるニッチな世界に触れてみませんか? ぜひ一度足を運んでみてください。 

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オーナー/代表取締役CEO
松江健介さん

1982年東京生まれ。スタイリスト業を経て2010年12月に3人でONLY FREE PAPERを開業。フリーペーパーを専門に扱う新たなビジネスモデルを確立させた。日々フリーペーパーの可能性を探究しながら、その魅力を発信している。

きれいめにも着られるドット柄ワンピースを、サーマルトップスとカットオフデニムの合わせに羽織ってカジュアルに。ペールグリーンのバッグとゴールドのバレエシューズで、春らしいポイントを加えて。

ワンピース¥15,700(+tax)/liflattie shipsMORE
サーマル¥4,000(+tax)/miller
フレアーカットオフパンツ¥13,000(+tax)/Healthy
バレーシューズ¥24,900(+tax)/OPERA NATIONAL DE PARIS
バッグ¥18,000(+tax)/TEMBEA

東京都小金井市梶野町5-10-58
コミュニティステーション東小金井 ヒガコプレイス内

TEL: 042-316-3310

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