SHIPSブランドのBGMにおける極意とは? 松浦俊夫さんインタビュー SHIPSブランドのBGMにおける極意とは? 松浦俊夫さんインタビュー

SHIPSブランドのBGMにおける極意とは? 松浦俊夫さんインタビュー

SHIPSブランドのBGMにおける極意とは? 松浦俊夫さんインタビュー『THE FUTURE TIMES』がついにシップス各店で配布!

SHIPSブランドのBGMにおける極意とは? 松浦俊夫さんインタビュー

SHIPS'S EYE

SHIPSでお買い物をしているとき、お店でかかっている音楽に気を留めたことはありませんか? 実は、各ブランドの音楽はすべて松浦俊夫さんがセレクトしているのです。DJとして、また音楽プロデューサーとして活躍する松浦さんにBGMの極意を伺いました。

??SHIPSブランドの店舗BGMはすべて松浦さんがセレクトされているんですよね?

松浦 そうですね。SHIPS、SHIPS JET BLUE、Khaju、liflattie ships、それにアウトレットと担当しています。各ブランドともに毎月2バージョンを作っていて、ひとつが75〜80分の構成になっています。基本的には落ち着いた感じと、少し跳ねた感じというテンションの違いでふたつ。場合によってはムードの違いで分けているときもありますね。

??とにかくすごい量ですね。

松浦 すべてを合わせると毎月15時間くらい。そうなると、とにかくいろんな音楽を聴いてないとどうにもならないですね。いつでもどこでも音楽を聴いています。iTunesであったり、CDショップやレコードショップ、youtube、sound cloud、その他にもワールドミュージックのサイトやロックのサイトなどなど。音楽に出会う場所はいろいろです。朝起きて7:00くらいから聴き始めて、12時間くらいは常に音楽が鳴っていますね。でも、新しいものでも古いものでも、分け隔てなく聴いていると何となく時代が見えてくるんですよ。ですから、このお仕事から学べる部分も多いですね。

??SHIPSの仕事だけで一ヶ月が終わっちゃいそうですが。

松浦 以前は、月のなかでSHIPSの選曲をする時期を作っていたんですが、このところ忙しくなってしまって。最近は、音楽と出会った瞬間に、各ブランドへ振り分けるように作業しています。それを最終的にまとめていく感じですね。

??各ブランドのイメージや方向性はどのようにして作り上げていくのですか。

松浦 各ブランドの洋服はシーズンごとに展示会にお邪魔して、その際にテーマなどを伺っています。でも、それ以上に大切にしているのは、その服を着る方のライフスタイルをイメージすることですね。そこが重要になってきます。基本的にはお任せ頂いているので、逆にプレッシャーがあるというか。お寿司屋さんのお任せみたいに、常にこちらが先を読んで作って行く感じです。お客さんはもちろんですが、お店にいらっしゃるスタッフの皆さんが飽きないこと、また時代の流れに合わせることは常に考えています。

??各ブランドのイメージを具体的に教えてもらっていいですか。

松浦 SHIPSは、ブランドイメージであるネイビーっぽさや、海や自然というイメージを残しながら、いまの時代感を入れる感じですね。JET BLUEはかつてエッジーなブランドでしたけど、最近は少し柔らかくなってきてIVYっぽい。だから音の方向性も少し優しくしつつ、自分よりも若い人向けのブランドなのでフレッシュさや元気さを大切にしています。Khajuに関してはカラフルで躍動感があってガーリーな感じ。liflattieはもう少し自然素材というか、色合いが柔らかい感じかな。若い子向けのブランドも多いので、自分のDJでは絶対にかけないような曲も聴くようにしていて。昔はガールズポップなどは聴きませんでしたが、聴いてみるといい曲も多かったりするんです。お陰で未知の音楽との出会いが増えましたね。

??選曲するにあたって心がけていることはどんなことですか。

松浦 最近は減ってきましたけど、洋服屋さんってテンションがやけに高い曲ばかりかけているお店がありますよね。ガシャガシャしているというか。僕としては、もう少しショッピングを楽しんだり、リラックスできるような雰囲気にしたいと思っているんです。SHIPSさんは香りの演出もされていますけど、そういう気持ちのいい空間づくりをすることも音楽の役割りだと思うんですよ。

??3月の選曲はどんな雰囲気になっていますか。

松浦 芽生える感じと言うか、開くような感じかな。少しずつ元気になるけど、まだもう少し先だよっていう。とにかく、不必要にテンションを上げないことをポリシーとしているので。音が漂っているような感じで、でも、なんかいいよねっていう雰囲気を大事にしています。

??普段生活をしていて、ここのBGMはいいなっていうお気に入りの場所はあります

松浦 お店にこだわりが感じられる場所は、音楽もいいですよね。最近はどこも似たり寄ったりに感じになっていて。僕は音楽好きの人が聴いても納得してくれるような、そういう選曲を心がけています。

??ご自身の活動としては、昨年11月に「HEX」というジャズバンドをフロントマンとしてプロデュースされましたよね。バンド形態にこだわった理由はどこにあったのですか?

松浦 もともと、U.F.OとしてDJミュージックから入って、そこでできることは90年代にやり尽くした感じがあったんです。まだ試していなかったことといえば、ミュージシャンたちと作る、自分で演奏して作るのどちらかしかないなと。そこで、自分の気になっていたミュージシャンに集まって貰って、これまでになかったものを模索しながら作っていこうと思ったんです。まだ始まったばかりなので、どうなるかわからないですけど、いまは海外での反響が大きくなっていますね。これから5月末にEUでもアルバムが発売されて、6月にはEUツアーも決まりました。もしかするとアメリカでも動きがあるかもしれないですね。

??忙しくもあり、充実した毎日といった感じですね。

松浦 日本を含め世界で活動するというのは、20代の頃に一度盛り上がりがあって。それから20年経って、いまは落ち着いて挑戦できている感じです。慌てず、奢らず、常に挑戦し、前進していくだけですね。

??今後の活躍を期待しています。また、引き続きSHIPSのBGMも楽しみにしています。今日はありがとうございました。

¥2,700(+TAX)
BLUE NOTE/UNIVERSAL

2014年に創立75周年を迎える、ジャズの名門レーベルBLUE NOTEが新たなプロジェクト「HEX」を発信! 指揮をとるのは、踊れるジャズを日本から世界に発信してきたDJの松浦俊夫。六角形を意味するHEXのもとに集結した、日本が誇る実力派ミュージシャンたちが送る全8曲。新しいジャズがここにある!
http://www.hex-music.com

松浦俊夫

1990年にUnited Future Organization (U.F.O.)を結成。日本に於けるクラブカルチャー創世記の礎を築く。12年間で5枚のフルアルバムを全世界32ケ国で発売、高い評価を得た。2002年の独立後も精力的に世界中のクラブやフェスティバルでDJを続ける。幅広いジャンルのアーティストのリミックスを手掛ける傍ら、ファッションブランド等のコンピレイションやブティックの音楽の監修も行っている。その世界を舞台に培われた感性とネットワークを駆使し、イベントのプロデュース、コンサルティングや Gilles Peterson, Tomatoなどアーティストのエージェント業務等、その活動は各方面から注目を集めている。 インターFM "Tokyo Moon"(東京・名古屋)、好評オンエア中。

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