使い込むほど愛着がわく、今大注目のバッグブランドTEMBEAの魅力に迫る 使い込むほど愛着がわく、今大注目のバッグブランドTEMBEAの魅力に迫る

使い込むほど愛着がわく、今大注目のバッグブランドTEMBEAの魅力に迫る

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使い込むほど愛着がわく、今大注目のバッグブランドTEMBEAの魅力に迫る

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 シンプルでムダのないデザインで性別世代問わずに愛されるバッグブランドTEMBEA(テンベア)。バッグデザイナーでありながら、手ぶらで歩くのも好きと笑顔で語るデザイナー早ア篤史さんにインタビュー。多くの人から指示を得るバッグの誕生や、自身のブランドへの思いを語ってもらいました。


最初はバッグを作ろうと思ってブランドをスタートしたわけではないんですよ。今もそうなんですけどバッグ以外のアイテムも作っていて、当時は洋服をメインに作ってたんです。それでアイテムのひとつとしてバッグがあって、少しずつ洋服とバッグの比率が逆転していった感じなんです。

最初に作ったバッグがバゲットトート。これを作ったのはとても気軽な気持ちというか、自然な流れで誕生したんです。以前、会社勤めをしていた頃はバッグを持たないで必要最低限の荷物をポケットに入れて手ぶらで通勤してたんです。でも、いざ自分でブランド立ち上げてみたらバッグが必要になって、もともとキャンバスのバッグが好きだったんですが、当時その選択肢があまりなかったんですよね。L.L.Beanさんとか、他には少し女性っぽいものが多くて、自分が使いたいなと思える物がなかったのが作ってみたきっかけです。もともとバッグを作ったことがなかったので、あまり固定観念がないものができあがったのかもしれません。

バゲットトートのネーミングについては、半分本気で半分シャレのような感じなんです。持ち手が手前についているんで、長いものが飛び出ていても肩にかけられるんですよ。このバッグを使っている当時、何人かにパンが入ってそうって言われたことがあって、たしかに長いものを入れても持てるしな、と思って後からバゲットという名前をつけたんです。

そしてそのバゲットのあとに作ったのがメッセンジャーバッグ。当時はまだ事務所がなくて家でやっていたので、自転車で取引先を回るときにサンプルをバッグに全部つめて、帰りにはバッグが空になっていることがよくあったんです。バゲットだと持ったまま自転車に乗りにくいし、サイズも小さいってことで誕生したのがメッセンジャーバッグです。荷物が多いときは折り曲げずに立てて持って行って、荷物が減ったら畳んでっていうのがこの形の便利なところ。

こういった自然の流れからなんとなくコンセプトができあがっていった気がします。用途だったり、何か入れる物があってのバッグというのがいいなと思ってそこからいろんな形を増やしていったような感じです。とはいっても、だいたい無理矢理考えた物ってダメなんですよね。あまり考えずに自然の流れでできた物の方が、納得いく物ができてお客さんにも受け入れられる事が多いんです。 つまり初心と、毎日の生活のなかにあるものが大事ってことですかね。

デザインについていつ考えてるかと言えば、もうずっと考えてますよ。24時間考えていると思います。逆にノートを前にして、よしやろうと思っても何もできないんですよね。なのでいつひらめいてもいいようにアンテナは張ってますし、布団に入ってから考え出したりすることもあります(笑)。 あとは、お客さんとの会話や知人との話の中から出来たバッグも多いんです。例えば、CHIGOという子供服のお店と何か一緒にやりたいねって出来たのが子供用のトイバッグ。これは、子供がオモチャや自分の宝物を入れて持ち歩けるっていう発想から生まれたバッグなんですよ。

TEMBEAで使用しているキャンバス生地については、言い出したらたくさんあるんですけどあまり打ち出していないというか、作るまでのことはこちらが全部やるので、裏側は伏せておきたいという思いなんです。自分としては作るまでというより、お客さんの手に渡ってから人それぞれの使い方で、自分だけのものになっていくっていうその流れを大事にしたいなって思っているし好きなんですよね。

新型だったり新作っていうのは、展示会ごとにちゃんと作ろうって自分の中で決めてはいるんですよ。新しい物をがんばってひねって作っていって先が見えるかなって考えてるんで、今のままのペースで作っていければいいなと思っています。

あと、今ちょっと直営店を考えてるんです。うちはアイテム数が多いんですけど、フルで全部見られるところってないんですよね。なので、ある程度のラインナップを提供できるお店っていうのができればという思いもあって。今のところ4月くらいのオープンを考えているんで、そちらも楽しみにしていただければうれしいです。

年齢性別を問わないのでプレゼントにも最適と話すTEMBEAスタッフの中矢さん。実際お母様にドットプリントのトートバッグをサイズ違いでプレゼントされたこともあるそう。シンプルだからこそ人を選ばず、長く使えて自分だけのモノになっていく楽しみを味わえるTEMBEA。デザイナー早アさんとスタッフ中矢さんが実際に愛用しているアイテムを教えてもらいました。

(上)早アさんが自宅で愛用しているというブックトートは、インテリアとしてもオシャレで持ち運びも楽にできる。持てないくらいの本や雑誌を積み上げても平気という丈夫さも魅力的。またブランケットやストールなどを収納したりと使い方は人それぞれ。

(左)使用中のインディゴトート。1点1点すべて宮崎で藍染めされているもの。空気に触れることにより徐々に色が変わっていくので、しばらく続く色の化学反応が楽しめるんだとか。キャンバスとはまた違ったいい使用感が出てくるところも魅かれるポイント。

(上)中矢さんはポーチを多数愛用中。普段はハンドクリーム、ipodなどバッグの中を整理する目的で使用。旅行などでは衣類用、小物用など小分けに収納できてとても便利なんだとか。そんな旅行の時はいつもバッグの中が大小さまざまなポーチでいっぱいになるそう。

(左)使用中の持ち手がレザーのトートバッグはまだ使用して半年ほど。少しずつ生地がやわらかくなってきた状態だそう。間口も広く収納力は抜群。あえてガサツに扱う事で出てくる風合いを楽しめるのもTEMBEAならでは。

早ア篤史 / デザイナー

アパレル企業で企画、営業などを経験した後、独立。2004年よりTEMBEAを立ち上げる。ブランド名はスワヒリ語で“放浪”の意味。あてもない散歩や買い物に出かけたくなるようなバッグ作りを目指す。すべての行程は手作業で行われ、国内の職人さんがミシンを使い1点1点丁寧に作られている。

http://www.torso-design.com