35thスペシャルインタビュー ―CAZI CAZI 岩井祐二編集長―  100人いたら100通りの「STYLISH STANDARD」がある 35thスペシャルインタビュー ―CAZI CAZI 岩井祐二編集長―  100人いたら100通りの「STYLISH STANDARD」がある

35thスペシャルインタビュー ―CAZI CAZI 岩井祐二編集長― 100人いたら100通りの「STYLISH STANDARD」がある

35thスペシャルインタビュー −『CAZI CAZI』岩井祐二編集長− 100人いたら100通りの「STYLISH STANDARD」がある

35thスペシャルインタビュー ―CAZI CAZI 岩井祐二編集長―
100人いたら100通りの「STYLISH STANDARD」がある

SHIPS JET BLUE

関西を代表するファッション誌である『CAZI CAZI』『CAZI CAZI H』『関西girl’s style exp.』を統括し、『SEVEN HOMME』では編集長を務める岩井さん。関西シーンの歴史やカルチャーを紐解きながら、「STYLISH STANDARD」とは何かを語って頂きました!


――『CAZI CAZI』が創刊してからどれくらい経ちますか?

岩井 いま18年目になります。創刊した当時はアメ村が騒がれるちょっと前で、その頃は古着屋が入っている集合テントがまだあった時代です。いい意味で混沌とした盛り上がりがありましたね。その頃はまだ僕はいませんでしたけど。

――誌面づくりにおいてコンセプトの変遷などはありますか?

岩井 アメ村カルチャーを発端に、神戸のトアウエスト、京都の御幸町など各地でストリートカルチャーが出てきて。それに合わせて取材エリアを京阪神に広げていきました。でも、人ありき、店ありきの編集方針は変わらずですね。

――スナップ特集が多いですよね。

岩井 「街の眼」っていう巻末の連載ページは創刊から続いていて、いまだに一番人気がありますね。スナップはいまも人気が高い特集です。

――スナップが人気の理由はどこにあると思いますか?

岩井 以前、読者を集めて聞いたことがあるんですよ。そのときわかったのが、読者はとにかく作為的なものがイヤみたいで。それは関西特有のものかもしれないですね。僕たちが考えて提案するよりも、街の人がどういう風に着て、どう楽しんでいるのかを見たいということなんです。いわゆるストリートカルチャーの感覚が現在も残っている。なので、ブランドの特集をするよりも、お店や場所の特集をしたほうがウケはいいですね。最近は、兵庫の篠山とか、奈良、京都の郊外など、ちょっと外れにカフェを併設したおもしろいお店ができていて、そういう情報は読者も敏感に反応してくれます。


――岩井さんから見るSHIPSのイメージはどんなものですか。

岩井 アメリカ的でもヨーロッパ的でもなく、SHIPSさんならではの独自の感性がありますよね。新しいものも多いし、提案も他とはちょっと違うので常に刺激を受けています。いわゆるスタンダードなものもありながら、「えっ?」っていうものが必ずあるんですよ。パッと見は変わらないように見えて、よく見るとかなりおもしろいことをしている。そこを見落とさないようにしているので、内覧会に行くと必ず長居になっちゃうんですよね。

――今回、インタビューのメインテーマがSHIPSのコンセプトである「STYLISH STANDRD」なのですが、その言葉を聞いてどんなことを想像しますか。

岩井 このお題は難しいですよね。スタイリッシュって言葉は、僕もよく使うので改めて検索したんですがあんまり出てこない。でも、クルマだとアウディ、映画だとコーエン兄弟みたいなものかなと思いますね。つまり、伝統や基本を守りながら、ちょっと違うことをしているもの。そう考えると、モノ単体を指して「STYLISH STANDARD」を語ることは無理なんですよね。ファッションで語ろうとすると、サイズ感とか色使いとか、そういう細かい話になると思いますね。結局、100人いたら100通りの「STYLISH STANDARD」があるんだと思います。

――岩井さん個人としての「STYLISH STANDARD」はどんなものですか。

岩井 僕は京都出身なので、基本的にトラッドなものが好きですね。買うものもスタンダードなものが多くて、そこにちょっとおもしろいグラフィックがあったり、おもしろいワンポイントがあったりするのが好きです。

――お気に入りのスタイルを教えてもらえますか。

岩井 デニムシャツがめっちゃ好きで、15枚くらいは持っていますね。気付くと毎シーズンのように買っていて。自分としてはオンスが違ったり別のものを買っている意識なんですけど、奥さんからは「同じの持ってるやん、どこがちゃうの?」とよく怒られます(笑)。あと、パンツもほとんどデニムですね。デニムシャツにデニムパンツ、そこにあえて高級ブランドのハンカチを使ったり、インナーで遊んだりしています。チクチクして痒かったり、ベタっとくっついたり、そういうイラッとする服は嫌いですね。

――そのスタイルはいつくらいに定まりましたか。

岩井 30歳を越えたくらいですかね。昔はいろんな恰好をしていましたけど、最近はコーディネートとかあまり考えなくなりました。新しいものも買っていますが、クローゼットのなかは特に変わり映えがしないですね。これからも、無理をしないスタイルでいこうと思います。

――今日はありがとうございました。


岩井 祐二


『CAZI CAZI』『CAZI CAZI H』『関西girl’s style exp.』の3誌を統括する編集局長。『SEVEN HOMME』編集長。
1977年、京都府生まれ。2002年秋入社。2005年秋〜2012年夏まで、『CAZI CAZI』編集長。2009年春より、『SEVEN HOMME』編集長。10月12日にVOL.8発売予定。2012年夏より編集局長に就任。

『CAZI CAZI』は、毎月12日発売!!