35thスペシャルインタビュー ―スタイリスト 小沢宏さん― 腕時計はタイムレスな存在です 35thスペシャルインタビュー ―スタイリスト 小沢宏さん― 腕時計はタイムレスな存在です

35thスペシャルインタビュー ―スタイリスト 小沢宏さん― 腕時計はタイムレスな存在です

35thスペシャルインタビュー ―スタイリスト 小沢宏さん―
腕時計はタイムレスな存在です

SHIPS MEN

現在はデザイナーとしても活躍されている人気スタイリストの小沢宏さん。「STYLISH STANDARD」というお題に対して、選ばれたのは長年使っているお気に入りの腕時計。そこにはどんな思いがあるのかをお聞きしました。


「STYLISH STANDARD」と聞いて迷ったんですけど、今回は時計を持ってきました。この言葉を改めて考えたときに、スタンダードがポイントになると思ったんですね。そこで何が自分にとってスタンダードなのかって思ったときに、洋服そのものよりは、時計のほうが圧倒的に耐用年数が長いことに気付いたんです。オールデンやコンバースも一生ものとよく言われますが、靴でさえもそのときのファッショントレンドによって寝かせる時期がある。そう考えると、時計って流行り廃りがなくてタイムレスな存在なんですよね。

−時計を購入するときの法則みたいのはありますか。

小沢 僕は時計貯金っていうのを自分でやっていて、コツコツと50〜100万円を溜めては買うんですね。このロレックス エクスプローラのボーイズはアンティークで、23歳のときに香港で買ったんですよ。ベルトを替えて遊びながら、今でもよく使っていますね。時計は好きなんですけど、中身の構造とかには興味がなくて。そこはスタイリストっぽいのかもしれない(笑) 高いものって、買うまでのプロセスが楽しいですよね。デパートの時計売り場に行ったり、海外でウィンドウを見たりしながらワクワクして。でも、買った瞬間に終わっちゃうんですよ。そうすると、次は違った雰囲気のものが欲しくなる。スポーティなものを買ったら、次は革ベルトとかね。

−時計とファッションの合わせ方で気を付けていることはありますか。

小沢 意外にミスマッチな感じもいいですよ。以前、肩を骨折してしまったことがあって、そのときは薄くて軽いので、よくカルティエのタンクをしていました。でも、Tシャツやスウェットにも合うんですよ。似合わないのに無理している感じになりそうだけど、不思議と使い続けているうちに似合ってくるもんです。そんなにシビアに考えなくてもいいのが、時計のおもしろさじゃないですか?

−今日お持ち頂いたのはゴールドケースのものが多いですが。

小沢 そうですね。理由のひとつは、自分の肌の色に合うからなんですよ。ロケも多いから、僕は一年中日焼けしているし。

−このランゲ&ゾーネのランゲTもまた素敵ですね。

小沢 パリで一目ぼれしたんですよ。ピンクゴールドに黒の革ベルトって配色もいいし、ランゲをしているスタイリストも少ないでしょ? これを見つけたときも時計貯金がまぁまぁ貯まっていて、家に電話して奥さんの許可を貰ってからカードを2枚使って買いました(笑)。ユーロ安のときだったからお得だったんですよね。僕はクルマに乗らないから大きな買い物をする機会も少なくて。気持ちが時計に向かいやすいのかもしれないですね。

−男性にとって腕時計ってどんなものだと思いますか。

小沢 僕は時計の針を4〜5分進めて使っているんですね。正確な時間を知りたいときは携帯。そう考えるとアクセサリーに近い存在なんだけど、もう少しアイデンティティーが出るアイテムなのかな。その人の個性が強く出る気がしますね。

−最後に、初心者におすすめの時計を教えてください。

小沢 やっぱり王道から入ったほうがいいんじゃないかな。ロレックスって何だかんだ言っていい時計ですよ。壊れることもほとんどないし、スーツでもカジュアルでも合うしね。まずはロレックスじゃないですかね。

−やはりロレックスですね。今日はお忙しいところ、ありがとうございました。

小沢 宏

1964年生まれ、長野県出身。大学在学中に雑誌POPEYEの編集アシスタントになり、その後スタイリストとして独立。1995年にフューチャーインを立ち上げる。スタイリスト業と平行して、2003年よりメンズのアパレルブランドのNumero Unoをスタート。また、2006年からはコラボブランドcoffee and milkを始動するなどデザイナーとしても活躍している。
また、SHIPSのシーズンカタログのディレクションを務める。SHIPSがブランドとして35周年を迎える今シーズン、それを記念した同号#9でも紹介されているショートムービーのディレクションも手掛けている。

http://www.futureinn-tokyo.com/