SHIPS JET BLUE ショップスタッフが語り尽くす!  2017 夏のスニーカー座談会 SHIPS JET BLUE ショップスタッフが語り尽くす!  2017 夏のスニーカー座談会

SHIPS JET BLUE ショップスタッフが語り尽くす!
2017 夏のスニーカー座談会

スニーカー人気が再燃して久しい今、ランニング系モデルや往年モデルの復刻人気も落ち着き、次なるヒットを見出すのはかなり難しい状況です。いったい新たに注目を集めるのは、どんなモデルなのか? そんなトレンドを探るべく、SHIPS JET BLUEの自他共に認めるスニーカーフリーク4人に、気になるモデルを挙げながら語り合ってもらいました。題して“夏のスニーカー座談会”。各店の現状も踏まえて、スニーカーの過去、現在、未来を紐解きます。

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水野一央

(SHIPS JET BLUE ルミネエスト新宿店)

スニーカー所有数:約100足。
基本的にハイテクが好き。シンプルなアッパーデザイン、もしくは派手なデザインに目がありません。

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ファレル・ウィリアムズがデザインを手掛けた別注のNMD。こちらは発売足数が少なすぎて、まず手に入らないという激レアモデルです。発売時にお店をはしごして、幸運にも抽選で手に入れました。

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?橋 淳

(SHIPS JET BLUE ルミネエスト新宿店)

スニーカー所有数:約30足。
中学生の頃にスニーカーに目覚め、“アルファプロジェクト”からコレクトを開始。現在は、ハイテク、ローテクを問わず幅広く入手しています。

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中学生の頃に、友人のお兄さんから譲ってもらった記念すべきモデル。とにかくソールの形状に衝撃を受けました。今でもよく眺めています。

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高橋 謙太郎

(SHIPS大宮店)

スニーカー所有数:約50足
ナイキのハイテクモデルに惹かれて収集を開始。渋谷店に異動したタイミングを境に、好きなモデルの幅がかなり広がり、収集熱もさらに高まりました。

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2015年9月に発売されたコラボモデル。アッパーに大きなジップを付けるという発想に驚きを覚え即購入。希少なモデルですが奇跡的に買えました。

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秋元 亮介

(SHIPS 渋谷店)

スニーカー所有数:約80足。
今回参加の最年少、90年代生まれ。大学入学と同時にスニーカーに興味を持ち始めました。ハイテクモデルは履かなくても買ってしまうことが多いです。

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ハイテクのアッパーデザインに惹かれて購入。映画『SPACE JAM』(1996年)の 劇中で、マイケル・ジョーダンが履いていたモデルです。

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「どのモデルも復刻で
アップデートしています」(水野)

??まず、みなさんが普段立っているお店では、スニーカーに対するお客さんの反応はいかがですか。どんなモデルが売れるのでしょうか?

高橋(淳)「今は確かにランニング系のモデルを買い求める方が特に多いです。だからといって、みなさんランニングが目的なのではなく、復刻デザインをファッションとして買っていますよね」

水野「ハイテク派とローテク派という感じで、好みがしっかりと分かれている感じがします。ちょっと極端です。なかでも復刻はやっぱり人気がありますね。例えば、ナイキのエア モックは秋冬に出たときもすごい好調でした。あとそれとは別にアディダスのNMDは、かなり人気が高いという印象です」

??今の復刻モデルは、かつてのモデルと仕様は変わっているんですか?

高橋(淳)「エア モックは今はACGのカテゴリーではないんです。でも、履き心地は格段によくなっていますね」

秋元「ナイキのスピリドンもアッパーがメッシュに変化したりしてますよね。復刻に関しては、やっぱり何かしらちょっとした変化があります」

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ナイキの都会的なハイテクモデル、ズーム スピリドン ウルトラ。今はメッシュ仕様のアッパーにアップデートされています。

スニーカー ¥14,000(+tax) / NIKE

水野「どのモデルも復刻でアップデートしている感じだと思います。ローテクの代表、スーパースターもブーストソールになっていますし、スタンスミスに関してもそうですよね。形は過去の名作で、性能は上がっているというのが今の感じだと思います」

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「アシックスのゲルマイは、
古臭さを感じません」(秋元)

??なるほど。デザインは過去のものだけど、テクノロジーは最新のものを楽しみたいという風潮があるんですね。そのなかで注目のモデルといいますと?

高橋(淳)「やっぱりエア モックですね。自分はそもそもACGのモデルが好きだったんですが、復刻もとてもいい靴だと思います。ただ、昨年の秋冬に出たものは、ボアが施されているため春夏は暑くて履けないのが残念です。とはいえ今季も軽くて履きやすいモデルがしっかりリリースされていますから、個人的にオススメですね。コッペパンみたいな形も相変わらずいいです(笑)。ACGカテゴリーではなくなってから、ソールがさらに柔らかくなったと感じます。復刻は履きやすい印象ですね」

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かつてはアウトドアをテーマにしたACGカテゴリーに属したエア モック。現在は、エア モック ウルトラとしてリリースされています。シンプルな意匠は当時のままですが、ソールは柔らかく進化。

スニーカー ¥11,000(+tax) / NIKE

高橋「自分は、注目モデルを挙げるならリーボックのクラブCですね。85年に出たテニスシューズなんですけど、程よくボリュームがあって、墨黒っぽいスエードのアッパーがすごい格好いいなぁと思います。加えてガムソールがスケシューぽい感じなので、履き心地もすごくいいんですよ」

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無駄を削ぎ落としたミニマルなスエードのアッパーにガムソールを配したリーボックのクラブ C 85 TG。とにかく汎用性が高く幅広いコーディネイトに取り入れられます。

スニーカー ¥12,000(+tax) / REEBOK

??リーボックは復刻が充実しているんですか?

高橋「そうですね。数年前にポンプフューリーが復刻して盛り上がって、それから継続しているという感じです。ちなみに今出ているポンプフューリーは、ちょっとソールが進化しています」

秋元「僕は断然、アシックスのゲルマイです。実は、この現行モデルが出た時代は全く知らないんですが、今見るとデザインがちょうどよく感じるんですよね」

高橋(淳)「当時は行き過ぎてたイメージだったけどね」

秋元「そうですね、今はちょうど良いです。古臭さも感じないですし。変にハイテク過ぎないというか。これを履くとスポーティな印象が強くなるので、あえてスポーティじゃないスタイルにハズしとして合わせるといいですよね。逆にこのモデルを目立たせて履く感じといいますか」

??でもクセのあるモデルですし、合わせるのはなかなか難しいと思うんですが?

水野「これを履くなら、やっぱりパンツはクロップドですかね。フルレングスという感じではないと思います。世の中的にクロップドパンツが増えたので、逆にこういうモデルが受け入れられるようになったんじゃないでしょうか」

秋元「わざとダサさを演出するスタイリングにも取り入れられますし、ファッショナブルにも履けます。使い方はいろいろと考えられるモデルだと思います。アシックスらしさもしっかりありますし。スタイリッシュ過ぎないのもいいです」

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1999年に発売されたハイテクシューズ“ゲルマイ”の復刻モデル。メッシュアッパーにアシンメトリーに配されたシューレースが個性的です。分厚いソールに埋め込まれたアシックスストライプも斬新。

スニーカー ¥14,000(+tax) / ASICS

水野「このモデルは確かに面白いよね。でも自分は、復刻で気になるといえば、やっぱりブーストソールのスーパースターですね。これは履くと本当にクセになるんですよ。自分たちは長時間ずっと立ち仕事ですから、ブーストソールは履いててすごい気持ちいいので、昨年だけで10足以上買ってます。誰もが履いたことがある名作がこういう新しいテクノロジーで生まれ変わるのは、すごいいいですし、絶対オススメしたいですね。ハイテクとローテクの融合という感じです」

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「今は時代の流れもあって、
いろんな趣向が入り混じっている」(高橋 淳)

??それは確かにいいですね。ところでブーストソールが出たのは、いつ頃なんですか?

水野「3年ほど前ですね。最初はランニング用に開発されて、それからウルトラブースト、そのあとにヒットモデルのNMDが出て、イージーブーストが発売という流れです。ブーストソールは個人的にも本当にヒットですね。まだ出たばかりなので、長年履いたらどう変化していくのかは正直わからないんですが、履きやすいのは間違いないです」

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クッション性と反発性を兼ね備えたブーストソールを内蔵した“スーパースター”。誰もが知っている名作も、今は最新テクノロジーを盛り込み機能が格段にアップしています。

スニーカー ¥18,000(+tax) / adidas

??ソールのお話になりましたが、ソールのテクノロジーで注目度が高いモデルは、他にありますか?

高橋(淳)「ナイキのヴェイパーマックスですかね」

秋元「久々にナイキの新しい形が出たという感じですよね」

水野「あれはすごいですね。エアがむき出しになっているのも面白いですし」

高橋(淳)「欲しいけど、手に入らない。なかなか(笑)」

水野「僕はフリーソールが好きですね」

高橋「自分はルナが結構好きですね。やっぱり軽いし疲れないですし」

??機能系ソールは、やはりナイキが強いんですね。そうなるとランニングシューズを買うならナイキが狙い目ということですかね?

水野「いや、ある程度ランニングを極めると、実はアシックスに行くんじゃないですかね」

秋元「そうですね。結構ランニングをする方は、みんなアシックスを履いてますね。日本ブランドという珍しさもありますし、長時間走っていても疲れないですから」

高橋(淳)「一般的には、ナイキやニューバランスのランニングシューズは、履きやすいしオシャレ度も高いので安定的に人気がありますよね。でも、実際に走ったりしてランニングシューズを極めてくると、アシックスになるというのはあるかもしれないです」

秋元「人と違ったものがいいという人も、アシックスに行きますよね(笑)」

??なるほど。じゃあ、今、ランニング系は、わかってる人ほどアシックスを履いているということでしょうか?

一同「う?ん……、」

秋元「一概にそうとは言えないですね(笑)」

水野「結局、分散しているんだと思います」

高橋(淳)「今は時代の流れもあって、いろんな趣向が入り混じっているんだと思います。例えば自分もずっとハイテクが好きで、スニーカーは基本的にハイテクばかりを履いてきたんですが、最近になってようやくローテクの魅力がわかって、ヴァンズやコンバースを履いていますし」

水野「ハイテクもローテクも本当に混在しているので、突出して何かのブランドやモデルに人気が集中することはあまりないですよね。小さなブームは常にあるんですけど。ランニングでいえば、ニューバランスの安定人気の影で、実はサッカニーとかも復刻を増やしているんですよ。とてもコスパも高いブランドで、デザインも落ち着いていますから、徐々に人気が出てきています。単色使いのモデルが多いので服も選びませんし、コーディネイトに取り入れやすいんですよ」

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80年代に生まれた代表モデル“ジャズ”は、単色アッパーの“ジャズ オリジナル モノ”として復刻しています。都会的で合わせやすく、しかもこなれた価格設定という魅力に溢れたモデルです。

スニーカー ¥7,900(+tax) / SAUCONY

「復刻が盛り上がって、カラバリが出て
浸透して落ち着く」(高橋)

??なるほど、復刻は幅広くリリースされているんですね。一方、定番のローテクモデルに関しては、トレンドに関係なく支持されているのでしょうか?

高橋(淳)「例えばヴァンズやコンバースの定番モデルは、もともと突出して売れるわけでもないですし、売れ残るわけでもないです。ヴァンズは、去年ちょうど50周年を迎えてUSモデルの復刻が結構出たんですね。それもプレミアがついたりしていますから、盛り上がってはいますよね」

水野「ローテクは、好きな人はとことん好きですよね。特にヴァンズはそういう傾向が強いブランドだと思います」

??ローテクは、やはり買う人の平均年齢は高いんでしょうか?

高橋(淳)「いや、若い女子が多いですね。大学生とか」

秋元「値段も安いモデルが結構ありますから、若い人にも買いやすいというのがあると思います」

??そうなんですね。なかでも人気が高いモデルはなんですか?

水野「最近、足数がぐっと増えたオールドスクールですね。純粋に人気が高いです」

高橋「ヴァンズは昔より間口が広くなっていますし、かなり流通しているので、手に入りやすいモデルが充実しているのが強みですよね」

高橋(淳)「今、女の子はバギーなパンツを穿くコが多いので、それに合わせるスニーカーというと、ボリュームのないローテクが一番なんですよ。そういう傾向もあってローテクの定番モデルがウケているんだと思います」

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普遍のローテクスニーカーといえば、筆頭はやはりヴァンズの定番モデルです。こちらはチェッカーフラッグ柄の“エラ”。現在は女子にも絶大な人気があります。

スニーカー ¥6,000(+tax) / VANS

??それは興味深いですね。それではバッシュはどうなんでしょうか?

高橋「ジョーダンシリーズが好きな人は、やっぱり根強いですね。でもいいモデルが出るとなかなか買えないので、PCで常にチェックしたり、お店で張り込んだりしながら手に入れていますよね(笑)」

高橋(淳)「僕はまったく興味ないですけど(笑)」

??みなさんは、バッシュは履かないんですか?

秋元「僕は、買いますけど履かないですね。見ると欲しくなっちゃって買うんですけど(笑)。例えば、ジョーダンだと11(イレブン)です。自分は11が一番好きなんです」

水野「11は、普段履きはできないな(笑)」

秋元「僕は、ちょっと近未来感があるので好きなんですよ」

??11は上級者向きだと思いますけど(笑)。

秋元「確かに、今は履こうとは思わないんですけど、昔はハイテクシューズがすごい好きだったので、どうしても目にすると買いたくなっちゃうんですよ。
ちなみに、今日配送箱から出して持ってきましたから(笑)。届いたのは、昨年末です」

??そうなんですね(笑)。バッシュでいうとジョーダン1やダンクといった、かつての定番はもう人気はないんですか?

高橋(淳)「ダンクは、少なくてもローカットのほうが多いですし、今はSBとかのほうが人気があると思いますね」

秋元「そうですよね。今は、SBをスケートシューズだとわからなくて、買っている人が多いと思います」

高橋「SBの形が、単純に好きだという人が買っていく感じなんだと思います。ローテクにしてもハイテクにしても、今の傾向としては、復刻が出て盛り上がって、カラバリがバーッと出て浸透して落ち着くという流れです。それで結果的に、最初に出たオリジナルカラーの復刻が希少扱いになるという(笑)」

秋元「ナイキのハラチやリフトがまさにそうですね」

高橋(淳)「ハラチライトは、今っぽさもありましたから、かなり受け入れられましたよね。アジア圏の女性にもすごい人気があって、まとめて買っていく人も結構いましたよ」

秋元「やっぱりハイテク系で特徴のあるわかりやすいモデルはウケますよね。あとNMDのモデルのなかでも、プレミアが付いている企画性の高いモデルは、とにかく人気が高いです」

水野「でも、ハラチとリフトに関しては、ずっと好きな人は好きで需要はあるんですが、今は少し出尽くした感はあります。一昨年からあるので、さすがにちょっと落ち着いているんじゃないですかね」

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??では、デザイン性に特徴のあるハイテクモデルで、今を代表するヒットモデルといえば何になるんですか?

水野「今の気分を反映したハイテクは、やっぱりアディダスのNMD、もしくは、エア マックスじゃないですかね」

高橋(淳)「今シーズンは、まだ正直見えない部分がありますが、前シーズンまでだったら間違いなくNMD、あとナイキのソックダートも入ってくると思います。ちょっと今は飽きられた部分はありますけど」

秋元「やっぱりソックスタイプのスニーカーの先駆けですよね」

??では、ローテクではどうですか? 今を象徴するモデルは?

高橋(淳)「コンバースが100周年を迎えましたから、やっぱりチャックテイラーの100周年モデルは、象徴的だと思います。あとヴァンズですよね。ヴァンズも去年が50周年でしたから」

水野「なんだかんだ言ってもチェッカーフラッグ柄は、やはり根強いですね」

??なるほど。最後にそれらを踏まえて、今夏間違いなく旬で、人気が集中しそうなモデルはなんだと思いますか? 

水野「ウーブンだと思います」

高橋(淳)「自分もそう思います」

??その理由は?

水野「カラバリがとにかく豊富というのも大きいです。万人受けする定番色から、若いコに支持されそうなマルチカラーまでありますから」

高橋(淳)「今、人気のあるソックスタイプに近い感覚で履けるモデルというのもポイントですよね」

水野「そうですね。紐なしでラクに履けるというのは大切な要素です。ソックダートやリフトが流行った流れで、そのままウーブンにトレンドが移っていくのは、自然だと思います」

秋元「確かにウーブンは、不定期ですけどだいたい毎年1モデルは復刻するんですよね。そうすると、すぐ完売しちゃいますから」

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2000年に登場し、一世を風靡したエア ウーブンですが、その復刻モデルが今夏のスニーカートレンドを牽引する存在になりそうです。ソックスタイプに近い履きやすさと、カラバリの多さは確かに男女問わず受け入れられそうな予感。サンダル感覚で裸足で履ける手軽さもポイントです。

スニーカー ¥14,000(+tax) / NIKE

水野「やっぱり今年の夏は、ウーブンですね! ようやく支持者が増えてきた時期ですから、今がギリギリ狙い目だと思います。浸透し始めると早いですよ」

秋元「でも、僕は若いコにはウーブンはウケないと見ているんですよ。スニーカー好きじゃないと、なんだこれ? で終わっちゃいますよ多分(笑)。少なくとも、パッと見では買わないと思います」

水野「いや、絶対ウーブンがくると思います。少なくとも自分は3足ぐらいは買うつもりです!(笑)」