SHIPSメンズクリエイティブアドバイザー 鈴木晴生さんに訊く 男のファッション Q&A SHIPSメンズクリエイティブアドバイザー 鈴木晴生さんに訊く 男のファッション Q&A

SHIPSメンズクリエイティブアドバイザー 鈴木晴生さんに訊く 男のファッション Q&A

SHIPS メンズクリエイティブアドバイザー鈴木晴生さんに訊く男のファッションQ&A

SHIPS メンズクリエイティブアドバイザー
鈴木晴生さんに訊く
男のファッションQ&A

SHIPS MEN

SHIPSが創業して、来年で40周年を迎える。そして国内最古のファッション誌である「メンズクラブ」は、今年で創刊60周年。節目を迎える両者は、日本のメンズファッションの大きな流れを作ってきた。そして今、男のスタイルの原点を見据えるべく、「メンズクラブ」編集部がSHIPSのメンズクリエイティブアドバイザー鈴木晴生さんに、興味深い疑問を投げかけた。ともに考えるべき今のファッション、これからのファッションの課題とそのアンサーとは?

※この記事の一部は、メンズクラブ 11月号にも掲載されています。


10代の頃は“みゆき族”としてアイビールックに身を包み銀座を闊歩していた。 1966年にVAN JACKET INC.に入社。退社後1970年にテイジン メンズショプに入社、シャンタルデュモ「エーボンハウス」ブランドの企画等に従事。その後独立を果たし「メッサーフリッツ」ブランドを立ち上げる。1996年にSHIPSに入社。2006年にはワインレーベル フォー シップスをスタートさせる。 企画部長・執行役員を経て、現在はメンズクリエイティブアドバイザーとして、多くの企画で指揮を執る。

「物が溢れる時代になって一過性の価値観みたいなものが重視されていますが、そういう時代だからこそ、お洒落をして自分らしさやキャラクターを主張するというのは重要だと思います。人間は生き物ですから、洋服を着ることに対しても内面が反映します。たくさん物がある中からチョイスしてその服を着るわけですから。逆にお洒落をちゃんとすることで、内面も安定すると思います。朝は時間がないので、休みの日に一週間分のコーディネートを決めるんです。予定を見ながら誰に会うのかを考慮して洋服を決める作業は自分にとっても楽しく、いい時間です」

「ギッドマン ブラザーズであるとか、SHIPSとも縁のあるスタンダードなブランドは多々ありますが、筆頭はやはりオールデンだと思います。会社として長く続けているだけでなく、商材としての靴も業態もあまり変わっていませんよね。自分がまだヴァン ジャケットにいて初任給が1万3000円ぐらいだったときに、オールデンは5万円ぐらいはしたと思います。今はクレジットカードなどを利用してすぐに物が買える時代ですが、当時はお金を貯めてそういう高額な物を買っていました。それはそれで物に対していい距離感があったなと思います。オールデンは、そんなふうにどうしても欲しいという渇望する思いを抱いて買ったブランドの一つですね」

読者諸兄にもおなじみのオールデン。今も昔もコードバンの定番靴は、多くの男にとっての憧れです。
シューズ?95','000(+TAX)/Alden


「英国テイストは、今年の重要なポイントだと思います。わかりやすくて合わせやすいのは、ウィンドウペーンやチョークストライプといった柄ですよね。ただ、そういったスーツなどをそのまま着ると面白くはありませんから、例えばジャケットと近しいけれど微妙に違う素材のパンツを合わせたり、少し濃いめのネクタイやシャツをチョイスしてみる。そうやってちょっとした手を加えてオフィシャルな着方とは違う味付けをしていくのはありだと思いますね。脈略のない合わせはナシですが、近しい色、素材の違いを融合させるがポイントになります」

ジャケット?47','000(+TAX)/SHIPS
シャツ?30','000(+TAX)/Hamilton 1883
パンツ?40','000(+TAX)/INCOTEX
ネクタイ?17','000(+TAX)/Nicky
チーフ?7','000(+TAX)/fiorio  

「この先ファッションも他の物と同様にもっと合理化されると思います。我々が生きてきたような物のない時代とは違い、一過性の物を追い求める傾向は強まるのではないでしょうか。そうなると、長く着るとかではなく、今日や明日着るという感覚の服に需要がさらに傾くはずです。服自体も例えば見た目はテーラードのような形をしていたとしても、その時必要な機能を最小限備えたような簡易的な作りのものになっていくのではないでしょうか。それとは逆に、ニットやオーダーメイドの服のように手作りのものこそ残っていくと思います。あくまで洋服屋の意見ですが(笑)」

ニット?69','000(+TAX)/INVERALLAN

「どこを基準にするかで変わってきますので、それを決めるのは非常に難しいのですが……。自分たちの年代で言えば、今の時代を自然な感じで生き抜いてるな、ということで名前を挙げさせていただくと火野正平さんですかね。NHKのBSプレミアで、視聴者からのお便りを元に全国を自転車で廻る『にっぽん縦断こころ旅』という番組に出演なさっていますが、それを見てもカタチに囚われない彼の生き方や考え方、そしてお洒落なところもいいなと思います。あのようなラテンの人に負けないオーラのようなものを持った人が、これからもたくさん出てきてくれたらいいですね」

「ツイードと呼ばれる素材は、いわゆる階級社会から生まれた素材ですよね。簡単に言えば、狩りや釣りに行く王様の為に作られたもので、その際、鳥やウサギなどの動物から悟られないために森や林の景色になじむボルドーやフォレストグリーン、ダークネイビーなどの保護色であったことが由縁です。そんなツイード素材を上手に着るポイントとして、大きくは2通りあると思います。一つは、ツイードの保護色とは異質の明るい色のものを合わせる。とはいえ調和する色でなければなりませんが、そういうパワーカラーみたいなものをうまく組み合わせて着るとツイードがすごく新鮮に見えると思います。もう一つは、同系の色を持った組み合わせで、かつ同質の素材感のものを調和させていくということです。チェックのシャツやツイードのネクタイなどですね。そしてそれらを古典的に着るのではなくて、最近の傾向、トレンドを盛り込んで着るということが大切です。中にしなやかな糸で作ったタートルネックを合わせるのもありですし、スカーフを巻くのもいいと思います。一番だめなのは首元に何もしない着こなしですかね。手を加えた方が絶対的にお洒落に見えると思います」

ツイードの落ちついた発色と同じテンションの色やウールなどの似たような素材、そしてそれとは異なる明るいパワーカラーを適度にスタイルに盛り込む。そうすることでツイード自体も着こなしも新鮮に見えるようになる。

ジャケット?55','000+TAX)/SHIPS
シャツ?12','000(+TAX)/SHIPS   
パンツ?24','000(+TAX)/Equipage
ネクタイ?13','000(+TAX)/fiorio