HIROSHI TSUBOUCHI ポップで遊び心満点のドレスシューズ HIROSHI TSUBOUCHI ポップで遊び心満点のドレスシューズ

HIROSHI TSUBOUCHI ポップで遊び心満点のドレスシューズ

HIROSHI TSUBOUCHI ポップで遊び心満点のドレスシューズ

SHIPS MEN

国内はもとより、海外でも評価の高いHIROSHI TSUBOUCHIのシューズ。SHIPSでは、今シーズンよりオリジナルモデルを初展開。そこで、デザイナーの坪内浩さんに、華麗なる経歴やシューズに対する独自のポリシーについてSHIPSのドレスバイヤー秋山智春が伺った。


秋山 さまざまなブランドでの企画デザイン、またバイヤーとしても活躍されてきたとお聞きしていますが、自身のブランドを立ち上げるまでの経緯を教えて頂けますか?

坪内 10代の頃、グラフィックデザインを勉強していたのですが、それよりも靴に興味が生まれてしまって靴の学校に入ったんです。職人になりたいというよりも、デザイナーになりたかったんですよね。そこから、靴やバッグの企画やコンサルティングをしている会社に入社して、シューズメーカーやスポーツメーカー、デザイナーズブランドなど、さまざまなメーカーの企画デザインをしました。その後、フリーのデザイナーになって。インポートシューズの人気が高まったあたりに、マグナムに参画してプレミア―タや、エンツォ ボナフェなどの仕入れをおこなっていました。

秋山 まさに靴のエキスパートですね。そこから何故、ご自身のブランドを始めようと思ったんですか?

坪内 海外のシューズブランドに「魅力がなくなってきたのが」大きな理由ですね。それならば、自分の履きたいものを作ろうと思って2008年にブランドを始めたんです。

秋山 坪内さんのシューズは常に、トラッドが基本にありますよね。

坪内 トラッドはベースにありますね。でも、幅広く興味があるので、自分のブランドではイギリスやアメリカに代表されるトラッドなラインのRED、パリのサンジェルマンをイメージしたフレンチテイストのROUGEと、ふたつのラインで構成しているんです。基本的にスーツスタイルが好きなので、ドレスをベースにしながらカジュアルな遊び心で変化を付けることが多いですね。

秋山 木型にも相当こだわられているようですね。

坪内 ビスポーク(オーダーメード)のようにハンドで作るものと、量産シューズでは設計が違いますし、木型は奥の深い世界ですね。基本的には、履き心地を考えて人の足に近い設計にしています。量産シューズでも、あまり左右対称にしないでビスポークに近いカタチにしている。工場はパターンを取りにくいので嫌がりますけど。

秋山 すべてメイド・イン・ジャパンで、木型も日本人に合わせてらっしゃるんですよね?

坪内 そうですね。日本人向けに踵周りを小さくして、指はラクに動くようにしています。日本人は甲高と言われていましたが、最近は土踏まずがない人も増えて、イタリア人より甲が低かったりもする。標準化というのは難しくなっていますけどね。

秋山 今回、SHIPSではドレスシューズをベースにお願いしたんですが、坪内さんらしい遊び心が効いていて、さすがだなと思いました。

坪内 紐の色で遊んでみました。僕はもっとスーツを普段着として、遊び着として楽しんで欲しいんですよね。そのほうが生活の幅も広がると思うんです。 本当は、ウィングチップのメダリオンもハートマークにしたかったんですけど。

秋山 ビジネスパーソンの方々など幅広く買って頂きたくて。申し訳ありません(笑) 付属品でカラフルな紐も付きますので、カジュアルなイメージでも使える提案として紐で遊べるように今回はお願いしたんですよね。

坪内 僕はポップなものが好きで、あまり生真面目なものが好きじゃないんですよね。マジメな打ち合わせを長くやるのとかも苦手で。付き合いが長い人とは、ちょっと話してすぐ飲みながらの打ち合わせにしちゃう。そのほうが、いいアイデアが生まれるんですよ。

秋山 今後、どんなことをやられていきたいですか?

坪内 インジェクションのシューズ(長靴のように一体型になったゴムや樹脂製のもの)に興味がありますね。ドレスシューズとインジェクションシューズが並列でラインナップされていたらおもしろいと思うんですよね。あと、革小物や、シャツ作りなんかもやってみたいですね。

秋山 今日はありがとうございました。今後もよろしくお願いします。

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鮮やかなレッドのシューレースに替えることで、カジュアルで遊び心のあるスタイルに変身する。 付属品として黒のシューレースも付く。

靴を脱げば、インソールを縁取るようにハート型のエンボスが施されていておしゃれ。 SHIPS by HIROSHI TSUBOUCHIの刻印にも注目。

ローファーに付けられたタッセルは取り外しが可能。 遊び心満点で女性ウケしそうな仕様に坪内さんらしさが出ている。

坪内 浩

シューズデザイナー。
エスペランサ靴学院第三期生。卒業後、靴業界のコンサルティング会社ジャルフィックに入社、各メーカーの企画デザインに携わる。フリーランスのデザイナーとして活躍した後、マグナム創立に参画、「プレミアータ ウォモ」や「エンツォ・ボナフェ」を日本に紹介した。2008年より長年のキャリアの集大成として、自身の名を冠したブランド「HIROSHI TSUBOUCHI」をスタート。