アンダーグラウンドの新たな才能を探る  「PRMTVO(プリミティボ)」が体現するL.A.グラフィックの現在 アンダーグラウンドの新たな才能を探る  「PRMTVO(プリミティボ)」が体現するL.A.グラフィックの現在

アンダーグラウンドの新たな才能を探る
「PRMTVO(プリミティボ)」が体現するL.A.グラフィックの現在

日本でも’90年代に浸透し、興味深い進化を遂げたアブストラクトなグラフィックシーン。その系譜を継ぐがごとく、L.A.では新しい世代が現在進行形でユニークな活動を行っている。なかでも「PRMTVO(プリミティボ)」は、スウェットやカットソーをキャンバスに、いい意味で節操のない無カテゴリーなグラフィックを展開している。今、世界が注目する同ブランドのディレクター2人(名前等非公開)に、インスピレーションの源とL.A.の現状について語っていただいた。

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「L.A.で今何が面白いかは、
正直知らないですね(笑)」

????まずは、ブランドが掲げるコンセプトを簡単に教えてください。

「難しい質問ですね。なぜならブランドコンセプトは、いつも進化しているからです。自分たちは、いつも新しいコレクションで新しいアイデアを試すことを楽しんでいます。モノづくりをするうえで、一番のモチべーションになっているのは、アーティなものを探すことだと思います。アンダーグラウンドな物を探すスリルや、あいまいな芸術、音楽、映画などが、自分たちに多大な駆動力を与えているんです。原始の民族のように、自分たちはあらゆるシーンから常に想像力を狩り、集めています」

????モノづくりに関して、役割分担なども含めてチームの制作工程を簡単に教えてください。

「PRMTVOはたった二人でモノづくりをしています。デザイン、セールス、収集、生産、出荷をすべてやっているんです」

????それは興味深いですね。グラフィックに関しては、どんな要素からインスピレーションを得ることが多いですか? 

「音楽が一番のインスピレーションだと思います。デザインする時は常に音楽を聴いていますし、それ以外でも何をやっているときも聴いていますね(笑)。まず朝起きるとすぐにすることは、レコードの針を手にすることですし、イメージを探すように、いつも新旧の音楽を探しています。こうなったのは、何年にも渡るレコード収集の結果かもしれませんし、友達から教えてもらった新しい音楽の影響かもしれません。でも、誰でも今まで聴いたことのないヘヴィな音を奏でるバンドを見つけたいと思っているはずです」

????なるほど。それでは音楽以外に、大きな影響を受けている国や都市、文化、時代などがあれば教えてください。

「あらゆるものすべてから影響を受けています。都市、文化、時代などは、掘り下げれば豊富な歴史がありますから、限定することは難しいと思います」

????それでは、現在のL.A.のシーンで何が面白いと感じていますか? ファッション、音楽、グラフィックetc.……、自分たちにもっとも影響を与えているのは、どんな要素でしょうか?

「L.A.で今何が面白いかは、正直知らないですね(笑)。なぜなら僕たちは、できるだけL.A.以外のものを見るようにしているからです。L.A.は、ファッションになると退屈ですし、ハイプばかりで本物じゃないように思えます。でもギャラリーやアートショーといったシーンは大好きですけど」

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「東京では、シップス全店を回る
ツアーがしたいです」

????それは意外ですね。では、東京のカルチャーやファッションに関してはどう思いますか?

「ファッションの震源地のようだと感じていますし、世界の他の地域より、ファッションやアートがもっとも純粋に見られる場所だと思っています。東京にいる人たちは、’50年代のモーターサイクルシーンのギャングスターのような格好からホラームービーに出てくるようなスタイルまで、とにかくファッショナブルな格好をしていますし、めちゃくちゃ創造的ですよね。早く訪れたい場所の一つですよ」

????なるほど。そんな東京で、今後展開したいプロジェクトや企画はありますか? 可能な範囲で教えてください。

「そうですね、“ゴングサウンド”として東京ツアーがしたいです。それは僕たちの分身で、シンセサイザーと映像を取り入れたDJなんです。L.A.のアートショーではエクスクルーシブなTシャツデザインやジン、ポスター等も披露して何回かプレイしました。ぜひ特別な“ゴングサウンド”アートセットとして、すべてのシップスストアを回るツアーがしたいですね。ぜひパーティしましょう!」

????それは面白そうですね。最後に、これからのブランドとしてのビジョンや目標を教えてください。

「これは自然な流れだと思いますが、カットソーのコレクションをもっと拡張していくことです。グラフィックを強調したブランドというイメージだけに囚われず、より着心地の良いものを作っていきたいですね。ただ、グラフィックは僕たちのパッションですので、何をやるにしても間違いなく大きな部分を占めると思います」

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別注として今回展開するのは、チャンピオンボディを使用したスウェットとパーカだ。デザイナー二人のアイデアが盛り込まれたグラフィカルなコラージュのプリントは、ユニークでありながら圧倒的な存在感を放つ。
スウェット ?13,000/PRMTVO × SHIPS JET BLUE
パーカ ?15,000/PRMTVO × SHIPS JET BLUE

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PRMTVO プリミティボ

10年以上友人関係だったL.A.在住の2人が生み出したグラフィックに特徴のあるブランド。カットソーやスウェットを基本に、サイケデリックやアンビエント、エスニックといった様々なテイストのグラフィックをコラージュ的に施したラインナップを展開している。2013年にコペンハーゲンのブランド「WOODWOOD(ウッドウッド)」にピックアップされ、世界的に話題となった。その後GOOD HOODやSlam Jamといった著名ショップで次々に展開を開始。今のL.A.のグラフィックシーンを体現した存在として多方面から注目されている。