リスタートを切った老舗パンツブランドの現在  What’s BERNARD ZINS ? リスタートを切った老舗パンツブランドの現在  What’s BERNARD ZINS ?

リスタートを切った老舗パンツブランドの現在
What’s BERNARD ZINS ?

1967年、フランス北部の街ランスにて、ベルナール・ザンスが高級パンツ専業ブランドとして設立したBERNARD ZINS。著名ビッグメゾンの生産を引き受けていたことでも知られるこの実力派ブランドは、かつてクラシックかつゆったりとした意匠が世界のファッショニスタから支持された。それから時を経て、2012年に現代的な提案性の高いブランドへと変貌を遂げるとともに、より今の気分にマッチした、細すぎず穿きやすい新たな美脚ラインナップを展開し始めている。その現状を探るべく、今季から展開されるニュープロダクトをピックアップしながら“新星ザンス”の魅力をお伝えする。

 BERNARD ZINSはフランスの物作りのプライドとこだわりを持ったブランドだ。第二次世界大戦後の米国のマーシャル・プラン(ヨーロッパ経済復興計画)により、アメリカに留学した創業者のベルナール・ザンスは、工業デザインなどを吸収するとともに、多くのカルチャーに魅せられ帰国。それらをフランスでの物作りに生かすべく始めたのが同ブランドだ。そもそもはファクトリーとしてスタートし、パンツブランドとして正式に動き出したのは1999年のこと。

 ヨーロッパといえば職人気質の作り込まれたパンツは、どうしてもイタリアメイドというイメージがあるが、ザンスはその定説を覆すがごとく、フランスメイドに執着した。“BAC”と呼ばれる太ももから裾までゆったりとしたシルエットのストレートパンツはベストセラーとなり、広く受け入れられた。

 さらに大きな特徴の一つは、実に多彩な素材と柄にある。世界中から集められた生地はとにかくバリエーションが豊富で、柄もクラシックなものから主張の強い派手なものまでが揃う。なかでもアイコンの一つとして継承されているのが、コーデュロイ素材だ。こちらもピッチや発色の異なるものが実に幅広くラインナップしている。

 2014年、BERNARD ZINSは、パリのサンジェルマンに新たなお店をオープンし、ロゴもモノトーンのミニマルなものに一新。それと同時に、より広い層の大人にも受け入れられるパンツのスペシャリティとなるべく、リブランディングを開始した。V3と呼ばれる太もも部分に余裕があって膝下がまっすぐ伸びるという穿きやすい美脚を新たなアイコンの一つとして掲げ、次なるブランドの歩みを始めた。今季よりSHIPSで展開されるのは、そんな“新星ザンス”のエクスクルーシブなラインナップ。大人の穿きやすい美脚と今の気分をしっかりと反映させている。
かつてのファクトリーには、おびただしい数の生地が散乱し、様々なパンツの自社生産をフランスでゼロから行える設備体制がしっかりと整っていた。現在は時代の変遷とともに、ポルトガルに移ったが、あらゆる機材はそっくりと移設し、物作りの工程や作りそのもののクオリティは当時と何も変わっていない。
BERNARD ZINSのアイコンの一つがコーデュロイパンツ。ピッチ(畝)のバリエーションは非常に豊富だが、こちらは細かい設定のモデル。シルエットは新定番のV3タイプだ。横から見ると太ももがゆったりとしていて、膝下がすっきりしているのがわかる。

コーデュロイパンツ 各¥38,000(+TAX)/BERNARD ZINS
こちらは鮮やかなチェックと温かみがある英国調ホームスパンパンツ。がらりと印象が変わるこの素材バリエーションの広さこそがBERNARD ZINSの持ち味だ。インプリーツが基本で、やはりゆったりとテーパードラインを描くV3のシルエットで仕上げられている。

チェックパンツ ¥40,000(+TAX)/BERNARD ZINS
ホームスパンパンツ ¥40,000(+TAX)/BERNARD ZINS
ポケットの外側がL状のラインを描く、“Lポケ”パンツ。定番色のグレーは、1本あればどんなシーンでも取り入れられる万能選手だ。しっかりと目の詰まったウールゆえ、風邪を通しにくく真冬でも暖かい。バックはフラップのない片玉縁ポケットというのが定番のディテールだ。

Lポケットパンツ ¥40,000(+TAX)/BERNARD ZINS