―まず、乳がんについて知っておいてほしいことから教えてください。
武藤:まず知っていただきたいのは、乳がんはとても身近な病気だということです。現在、日本人女性の約9人に1人が、乳がんと診断されるといわれています。しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることができれば、治療後の経過も良好なことが多い病気でもあります。この2つをセットで知っていただきたいですね。
大宮:私は定期的に検診を受けているのですが、最初に検査を受けたのは「一度やってみようかな」というくらいの気持ちだったんです。一度受けてみると、思っていたよりも身近なものに感じられて。それから検診への意識も少し変わりました。
武藤:そのくらいの気持ちでもいいと思います。20代、30代で乳がんになる方もいらっしゃるので、若いから大丈夫と思わず、自分の身体に関心を持っておくことも大切です。
金城:私はセルフチェックをしていても、まだ何を見ればいいのか、よくわからなくて。
武藤:難しいですよね。たとえば、お風呂に入ったときに胸を触ったり、鏡で見たりするだけでもいいんです。普段から自分の胸の状態を知っておけば、皮膚が引っ張られてえくぼのようにへこんでいたり、赤く腫れていたりといった変化にも気づきやすくなります。
金城:自分で触っていても、わからないものもあるんですよね?
武藤:あります。「石灰化」といって、触ってもわからず、マンモグラフィなどの検査で見つかるものもあります。だからセルフチェックとあわせて、定期的に検診を受けることも大切です。
大宮:でも、亡くなった著名な方のニュースは大きく報道されるので、「乳がん=死」のようなイメージを持ってしまうこともあると思うんです。乳がんになったあとも元気に暮らしている方はたくさんいるのに、怖いイメージが先に立ってしまうというか。
武藤:そうですね。がんのことは怖いし、できれば考えたくないものだと思います。だからこそ、乳がんは身近な病気であることと同時に、早く見つけて適切な治療を受けることが大切だということも知っていただけたらと思います。
―では、実際に乳がんと診断された場合、どのような治療があるのでしょうか?
武藤:病状や乳がんのタイプによって異なりますが、手術のほか、ホルモン療法、抗がん剤治療、放射線治療などを組み合わせて治療を行います。手術には、乳房の一部を切除する「部分切除」と、乳房全体を切除する「全切除」があります。乳房を全切除した場合には、「乳房再建」という選択肢があります。失われたり、形が変わったりした乳房を再びつくることですね。
金城:私は今回のお話をいただくまで、「乳房を切除する」というところで知識が止まっていたんです。そのあとに再建できるということ自体、ほとんど知りませんでした。
金城:「その先にもできることがあるんだ」ということが、私にとってはすごく大きな発見でした。
大宮:実際に診断されたときって、治療のことだけでも精一杯で、その先のことまで考えるのは難しそうですよね。
武藤:そうなんです。以前より乳房再建の認知は広がっていて、乳腺外科の先生から選択肢として提示してもらえるケースも増えています。ただ、すべての病院で同じように受けられるわけではありませんし、ご自身で調べて来院される方もいらっしゃいます。
金城:そう考えると、病気になって初めて知るのではなく、「こういう選択肢もある」と知っておくだけでも、少し違う気がします。
武藤:そうですね。まずは、治療の先にもいろいろな道があるということを知っていただけたらと思います。
―乳房再建には、どのような方法があるのでしょうか?
武藤:乳がんの手術と同時に再建することもできますし、まずは治療を優先して、あとから再建することもできます。方法としては、自分のお腹や背中などの組織を使う方法、シリコンなどの人工物を使う方法、脂肪注入による方法などがあります。
金城:方法もひとつではないんですね。
武藤:そうなんです。自分の組織を使う方法は自然なやわらかさがある一方、組織を採取する場所にも傷ができます。シリコンは比較的身体への負担を抑えられますが、人工物なので定期的な検査が必要です。今、お話しした二つの方法は保険が適用となります。脂肪注入は大きな傷をつくらずに自分の脂肪で再建できますが、複数回必要になることがあります。それぞれにメリットとデメリットがあります。
大宮:その人が何を大切にしたいかによっても、選ぶ方法は変わってくるということですね。
武藤:そうですね。自然さを求める方もいれば、身体への負担をできるだけ抑えたい方もいます。患者会などで実際に再建を経験した方の話を聞いて、日常生活について知ってから考える方もいらっしゃいます。最終的には、患者さん自身が選ぶことが大切だと思っています。
金城:お話を聞いていると、「再建する」という選択肢があるだけでなく、そのなかにもいろいろな選択肢があるんだなと思いました。
武藤:本当にそうなんです。どの方法にも良いところと注意すべきところがあって、「これが正解」というものではありません。再建するかどうかも含めて、その人自身が選ぶことが大切です。
金城:私は最初、再建という言葉自体を知らなかったので、お話を聞いて「その先にも選べる道があるんだ」と思えたことが、安心にもつながりました。
武藤:そういうふうに、ひとつの希望として知っていただけたらうれしいですね。患者さんから「再建して初めて温泉に行きました」と報告していただいたり、「やっと乳がんの治療が終わったと思えた」と言っていただいたりすることがあります。あとは、「何も気にせず過ごせるようになった」と。気にせず過ごせるって、すごくいいことだなと思うんです。私もそれを目指しているので、そう言っていただけると本当にうれしいですね。
―最後に、この記事を読んでいる方へ伝えたいことをお願いします。
武藤:乳がんは、自分自身だけでなく、大切な家族や友人がなる可能性もある病気です。10 月のピンクリボン月間をきっかけに、まずは乳がんについて知ること。そして、知ったことを身近な人と話したり、伝えたりする機会にしていただけたらと思います。
大宮:最初の検診が、いちばんハードルが高いと思うんです。でも、「やったことがないから、一度やってみようかな」くらいの気持ちでもいいのかなって。何かを見つけるためだけではなく、「何もなくてよかった」と確認するための検診でもあると思うので、あまり構えすぎずに受けてみてほしいです。
金城:私も今回、乳房再建という選択肢を初めて知って、それが希望だったり、「選択肢がある」という安心にもつながるんだと思いました。検診も、もっと気軽にみんなが行けるようになって、「行くのが当たり前」になったらいいですよね。
武藤:そうですね。気軽に、みんなが行くのが当たり前になる。それはすごく大事だと思います。
( TAKE ACTION )
身近なアクションから
乳がんについて知ること、検診について考えること。そして、身近なところから活動を応援することも、私たちにできるアクションのひとつ。SHIPS では今年も、10月のピンクリボン月間に合わせ、ピンクリボン活動を支援するチャリティアイテムを展開します。期間中は、SHIPS、SHIPS any、SHIPS KIDS、OUTLETの全店舗で限定のピンクショッパーをご用意。さらに、SHIPS、SHIPS any、SHIPS Colorsから、ピンクを取り入れたチャリティアイテムが登場します。
SHIPS × BINDU
ヴィンテージスカーフのような色彩豊かなプリントが目を引く〈BINDU〉の巾着とスカーフ。ピンクを基調にした華やかなデザインで、いつもの装いにアクセントをプラスします。
BAG ¥5,390BUY
SCARF ¥3,740BUY
SHIPS any
環境配慮型リサイクル素材「REPREVE」を使用した人気のシャツシリーズから、ピンクリボン仕様のカラーが登場。バンドカラーとベーシックなシャツの 2 型を、やわらかなピンクで展開。
BAND COLLAR SHIRT ¥9,900BUY
REGULAR COLLAR SHIRT ¥11,550BUY
やわらかなピンクが目を引く、表情の異なる 2 型のニット。前後どちらでも着用できる 2WAY 仕様のショート丈と、すっきりとした V ネックにラウンドヘムを合わせたプルオーバー。
V-NECK PULLOVER KNIT ¥13,970BUY
2-WAY CROPPED KNIT ¥13,970BUY
SHIPS Colors
TeddyBear(R) と SHIPS Colors によるスウェットが、ピンクリボン仕様で登場。サガラ刺繍を主役に、パッチワークやワンポイント刺繍をあしらった表情豊かなデザイン。
TeddyBear(R) × SHIPS Colors Sweat 
¥7,480BUY
チャリティアイテムの売上の 10%は、
認定 NPO 法人乳房健康研究会へ寄付されます。
※ピンクリボンキャンペーン期間:10月1日(木)〜31日(土)
※チャリティアイテムはなくなり次第販売終了します。
※SHIPSは「ピンクリボンウォークとやま2026」に協賛しています。